コード:なし
構 成:22枚
監 修:LUA
作 画:朝弘華代
出 版:ぶんか社
発売日:不明
補足
雑誌「BUNKASHA MOOK 310 ArteMiss(アルテミス)」の綴じ込み付録でした
解説・使い方などは雑誌の6pより10ページにわたって掲載されていましたが、すでに処分済みです
所感
20代後半から30代前半にかけて運営していた自分のサイトで、このブログと同じテーマのコーナーを設けていました。その当時から抱いているモヤモヤとした気持ちがあります。「13番(死・死神)」の絵は死を美化しているのではないか、というものです。きっかけは、当時のコーナーを訪問してくださった人からのご指摘で、独創的なアレンジを施したデッキのカードをいろいろと紹介していた頃のことでした。
今回ご紹介しているこのカードもその中の一枚だったというわけではありませんが、ご覧のとおり画面のあちこちに花々が描かれていて、美しくアレンジされています。胸の内のモヤモヤを吐き出すのにちょうど良さそうなので、私自身のためになんとか言語化してみようと思います。
「13番(死・死神)」というカードの主旨は、「終焉」「物事の終わり」です。それを表現するためのモチーフには、以下のものが選ばれがちです。
- 死体…死そのもの
- 死神…死をもたらすもの
- 司祭・葬儀…死者への悼み、死への畏怖
- 白骨…死後の状態・状況
では、今回のカードはどうかと言いますと、上記の4つすべてが描かれている上に、バラ、ユリ、ヒガンバナもが描かれています。しかも、死神の背には天使のような神々しい翼までもが描かれていて、見るべきモチーフがてんこ盛り状態です。
- 天使の翼・翼の描かれた表紙の書籍…神に従属するものの象徴
- バラ…棘は厳しさ、花は愛情の象徴
- ユリ…清純さの象徴
- ヒガンバナ…この世とあの世の境界、情念の象徴
それでも、この絵に描かれたもの全てに何かしらの意味があり、単なる美化のために描かれたわけではないだろうことは、充分伝わるかと思います。
では、どうして「美しい」と感じられるものが描き足されているのでしょうか?
私は「監修者や作画担当者はこの絵に祈りをも籠めたかったのではないか」と考えます。死を迎えてしまった命や行き詰まって諦めざるを得なかった物事と、そこに関与している人々の無念、悔しさ、やるせなさだけでなく、失った命や物事にもそれらの喪失そのものにも無駄はなく、後の命や何らかの物事に繋がっていってほしいという祈りや希望が描き足されているように感じられるのです。そう感じたり考えたりすることは、死を美化することではないはずです。むしろ「失ったものをも無駄にするものか」という貪欲さというか、生への執着・渇望あっての感じ方でしょう。この美しいとは言い難い貪欲さ、執着、渇望を持っていることを含めた感情全部が「祈り」として、天使の翼や花々という形で描き足された…ということであったらなぁと、私は考えるのです。
今回綴りましたことは私個人の思うところであり、監修者や作画担当者の意図から外れているかもしれません。でも、言語化できて、少なからずスッキリしました。
こんなふうに、カードに描かれているものから監修者や作画担当者の死生観やモチーフの捉え方を想像するのは、結構好きです。自分の価値観との違いに驚いたり、視野が広がることもあります。同時に、「今、何をして生きるべきか」と自分の生活や人生を見直すきっかけになることもあります。時々、考えすぎて心が疲弊することもありますが、今後もカードを紹介しつつ考えていきたいテーマの1つです。
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